みなさんこんにちは、すだちです
この前配信したポッドキャスト「本気度15%の夢」でお話しましたが、わたしは今、猛烈にカヌレを焼きたい……!
名店のカヌレを食べ歩いたりコンビニスイーツのカヌレを試したり。2022年はお店のカヌレを堪能した幸せな1年でした。そして今年は一段レベルアップして、自ら焼いてやるー! と一念発起したのです。
カヌレとは、
カヌレとは
フランス南西部、赤ワインの名産地ボルドーの伝統的な焼き菓子「カヌレ(Canelé)」。発祥地であるボルドーにちなんで、正式名称は「カヌレ・ド・ボルドー(Cannelé de Bordeaux)」といいます。
クラシル
ボルドーではワイン造りの際に不純物を取り除くための清澄剤として「卵白」を使っていました。すると「卵黄」が余ります。もったいないので何かに活用できないだろうか。そう考えたフランス人が、カヌレを発明したといわれています。
カヌレとワインは切っても切り離せない関係です。一緒に食すと合うんです。不思議なことに! “ワインに合うカヌレ” を宣伝文句にしているカヌレの名店もあるくらい。ワインを心から愛するわたしは、ワインに合うスイーツとしてカヌレのことも愛しています
閑話休題。
カヌレを焼くと決意したら、まずは「カヌレ型」を用意しなければなりません。カヌレをカヌレたらしてめているのは何といってもあの形! 側面に溝が入った富士山のような、あの形。あの形を再現するには専用のカヌレ型が必要です。
カヌレ型がどこで買えるかというと、
かっぱ橋道具街
合東京都台東区、浅草と上野のちょうど中間、南北に貫くかっぱ橋道具街通りを中心に、料理関連の道具店が集中する一帯が、かっぱ橋道具街。東京メトロ銀座線田原町駅近くの浅草通り菊屋橋交差点から言問通りまでを結ぶ1kmの通りに、200軒もの店が並んでいます。
かっぱ橋道具街 – 東京とりっぷ
食にまつわる道具の一大問屋街! ここならカヌレ型だって手に入る! Amazonでポチッとすればブーンと家に届くわけだけど、せっかくなら実物を目で見て買うところから始めたい。それがわたしの愛の形。美味しいカヌレへの第一歩。
ここから本題です(笑)行ってきました、かっぱ橋! カヌレ型以外にも立ち寄ってみたいお店がたくさんあって、ドキドキわくわくしながら向かいました。今回はカヌレ型を求めてかっぱ橋道具街をてくてく散策した様子を、写真付きでお届けします。内容はポッドキャストで語っているので、あわせて聴いてね!
店内の写真は「写真撮影OK」のお店でだけ撮影しました。
かっぱ橋道具街散策
かっぱ橋道具街は南北に長い商店街。今回は「南から北上して、北端で折り返して南下する」という形でお散歩してきました。
東京メトロ銀座線 田原町駅から歩いていくと、視界に入るのは巨大なおじさん。
でたー
別の角度でもう一度。
か……か……かっこいい……
かの有名なニイミ洋食器店のシンボルです。シェフ帽のしわとか、ほうれい線とか、超〜リアル。雨の日も風の日も雪の日も、このおじさんがここでほがらかに鎮座していると思うと、グッときますね。や〜、いい。
道を挟んで向かい側にもニイミ洋食器店のビルがあるんだけど、そっちもいい感じです。
ベランダがコーヒーカップや〜!!! なんという可愛さなんだ〜〜〜!!!
窓の装飾がアーチ型で、最高にレトロ。なんて素敵なのでしょう。こういう建物大好きで、眺めているだけで楽しくてしょうがない。まだ商店街に足を踏み入れていないけど、割と満足です(笑)
気を取り直しててくてく歩いていくと、アーケードの天井にところどころ看板がついていることに気づきます。
商店街のお店や会社の名前がついているのかな? これもまた、so cute かっぱがスーパーマンみたいにニョキっと飛び出ているデザインです。しかもよく見るとおかっぱ頭じゃないですか。いい。
おかっぱ頭のかっぱ様、正面からご尊顔を拝見してみましょう。
薄い〜!
正面から見られることは想定されていなかったようです。もしくは軽量化のため……? そんなところも憎めない、キュートなおかっぱかっぱ様。
途中目に入ったお店を物色していると、気になるアイテムが。
リアルなモチーフのかわいい箸置きなんだけど、ひとつ気になる子がいるんです。そう、手前にある小籠包の箸置き。
小籠包の箸置き、箸おきにくくない???
これ絶対置きにくいよね!? どうやって置くの!? お箸すべっておっこちない!? 絶妙なバランスが求められるやつじゃない!? わたしの頭の中ではそんな疑問たちがスパークし、小籠包の虜になってしまいました。
まあ、買ってはいないんだけどね。今考えれば買えばよかった。今になって無性にこの小籠包が気になる。お箸置いてみたい。
さらにてくてく進むと、おうどんのどんぶりに目が留まりました。
美濃焼の素敵などんぶり! 左下のお花柄のどんぶりが特に好きです。これも買わなかったんだけど、いいよね〜欲しい。奇をてらったデザインではなく、よくある感じなんだけど、こういう素朴なやつ好きなんだ。
こんな感じで道端に焼き物のお皿が陳列されていて、ぷらっとのぞけるのが魅力のひとつだね。下の写真は別のお店なんだけど、雰囲気伝わるかな。
次に目に入ったのは、何やらアメリカン・ポップなお店。
この「志村製作所」さんは「ガラスケース・ゴンドラ・海外グッズ」を飲食店に卸しているお店みたいです。特に気になるのはUSAグッズ。アメリカンなポスターとか、アメリカンな什器とか。お店が一気にUSAに染まる素敵なアイテムを取り揃えているのだそう。サイトをのぞくとコカコーラ仕様のベンチなんかがあって、欲しくなります。個人宅に置くのはハードル高いけどね。店構えが他のお店とは少し違って、眺めるだけでも楽しかった。
お次はこの建物。
「外食店舗に強いでんき屋」さんこと、キャッスル電器さん。なぜこのお店にひかれたのかというと……見てよ、このコピー。
「でんきの高い店」
「高」が逆立ちしているのがミソなんだよね、きっと。「高い」が逆だからつまり「安い」ってこと……なんだよね、きっと!? なんて洒落のきいた看板なのだろう。最高かよ。二度見しちゃったよ。かっぱ橋道具街隠れ名所のひとつに認定しました。
けっこう歩いてへとへとだな〜というタイミングでちょうどよくカフェがあった。お店の名前は「Sensing Touch of Earth」さん。ここは一見普通にオシャレな雰囲気のカフェだったんだけど、お店の奥が事務所(?)っぽくなっていたり、トイレの水を流すときにファンファーレっぽい音が鳴ったり(偶然店内BGMが共鳴したのか、そういう仕掛けなのかは謎)、只者ではない感が漂っていました。
オーダー引き換え用の番号札がオシャレ。こういう小技っていいよね。
木の風合いとスチールのコントラストが素敵な客席。このテーブルの荷物置き用の釣り棚の、絶妙なバランスのデザインが素敵だよね。ほしい。
喉を潤したところで散策再開。
下の写真、オシャレな店構えでとても気になったんだけど、やってなくて何のお店かわからなかった。調べたところ、おそらく焼酎と日本酒の酒屋さんのようです。多分ね。ワインボトルっぽいロゴだからワイン屋さんかなって思ったんだけど、違った。
こんなにオシャレでモダンなお店があったかと思えば、
こんなにレトロで味のあるビルがあらわれる。それがかっぱ橋道具街という場所。見てください、このアール型の窓。ツートンカラーも素晴らしい。屋上に鎮座するかっぱ様も神々しい。
どことなくビリケンさんを彷彿とさせるシルエット。
モダンとレトロ。シンプルと華美。いい意味で雑然。いい意味でカオス。この街は混沌としていることそのものがデザインなんだ。そう感じさせる不思議な空気がただよっています。
街の魅力に酔いながらてくてく歩いていると、 “THE 問屋さん” な商店も顔を見せます。こちらはお菓子の問屋さん。「一般の方歓迎」と書いてあるので普通にお買い物できるんだけど、ほとばしる業務スーパー感がいいよねぇ。オシャレなディスプレイなんていらないのさ! という潔さが好き。
お次は食品サンプルのお店! 実はここ、行ってみたかったお店のひとつです。
この辺りにもう1軒食品サンプルのお店があって、そっちは観光客向けの綺麗なお店です。自分でチャレンジできる食品サンプル制作キットだったり、食品サンプルをキーホルダーにあしらったグッズだったり、お買い物が楽しめるお店でした。レンコンのペン立てを買おうか迷ったんだけど、3,300円というお値段に負けて断念。レンコンのペン立て、欲しかったな。
写真のサトウサンプルさんは店奥でお店の方がまさに製作中という感じの、少しガチ目のお店でした。店内狭いので長居はできないけど、1時間は眺めていられる食品サンプルワンダーランド! スイーツあり、天ぷらあり、ラーメンあり。購買欲がふつふつとわきあがってくる。だって見てよこれ。
カレー……欲しい……
でも、買ってどうする!? という至極真っ当な問いに論理的に反論できなかったので、あきらめました。いつか洋食のお店を開くことがあったら、買います。
ジャイアントカレーに後ろ髪引かれながら歩いていると目に入る、ラーメンのスープの素だけがたくさんディスプレイされているコーナー。ラーメンのスープの素だけ買うニーズって、何だろう。飲食店さんが買うのかな? これも不思議だった。
そうこうしているうちにお目当てのお店に到着。だいぶ寄り道をしましたが、覚えていますか? 当初の目的を。そう、今日は、
カヌレ型を買いにきたのだ!
危ない危ない。本日の目的地はこちらのお店です。
馬嶋屋菓子道具店さん
あらゆるお菓子の型をた〜っくさん取り揃えている、お菓子型の総合デパートみたいなお店。その他、ボウルや泡立て器やゴムベラなど、お菓子作りに欠かせない道具がそろっています。店内は5フロアにわかれていて、じっくり見るととても時間がかかりそうな品揃えでした。
カヌレ型も初心者向けのものから上級者向けのものまで、何種類かあります。今回わたしはスチールにシリコンコーティングされた初心者向けの人気商品と、上級者向けの銅製のものを書いました。銅製のものは一個1,650円する高級型です。一個だよ、一個。ひぇぇぇ。これを三個買ったの。もう逃げられない。焼くしかない。
何はともあれ、無事に目的を果たすことができました。銅の型は中に蜜蝋でコーティングをしなければいけなくて、蜜蝋の入手というハードルが待っています。いませっせと入手方法について検索をかけているところ。とりあえず、シリコンコーティングの型で練習したいと思います。やー、楽しみ!
ちゃんとカヌレ型を買うことができてほくほくした気持ちを胸に、最後はなにやら暖簾がたくさん売られているお店を眺めて帰途につきました。
このカオス感、いいね!
散策を終えて
時間が限られていたので全部のお店はまわれなかったし、軽装備だったので荷物が増えないようあまりお買い物できなかった。心残り無限大! 次はお買い物用のガラガラを引きながら1日仕事を覚悟して堪能しきりたい所存です。予算を決めて、大胆に。
でも、短時間でもかっぱ橋道具街の懐の深い「混沌」を味わうことができたのはとてもよかった。「古き良き」って感じではない。どちらかというと現代的で工業的な街だと思う。でも確かに漂う懐の深さ。
また来るね、おかっぱかっぱ様!